第40章 大物と人を奪い合う

その日、家に戻った南雲玲奈は、長時間の治療でさすがに限界だった。明日の診療に備えるためにも、しばらく横になって神経を休める。身体を整えることも、医者の仕事のうちだ。

そして同じ夜――軍管区敷地のほうでは。

江藤は、突然小泉大輔から電話を受けた。

「深夜3時にそちらへ行く。例の“特殊”な特殊部隊員2名に、心理治療を施す」

深夜に治療?

江藤は意外に思ったが、余計なことは聞かなかった。

小泉のやり方は、いつだって常識の外にある。だが、その腕前を疑う者は一人もいない。

この時間を選ぶ以上、何か意図があるのだろう。

それに上からも言われている。小泉の要望はすべて通せ。決して粗相をする...

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